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小規模事業者持続化補助金 第20回公募要領公開!! 主な変更点を行政書士が解説


小規模事業者持続化補助金の第20回公募要領が公開されました。

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や業務効率化に取り組む小規模事業者を支援する代表的な補助金として、多くの事業者に活用されています。

 

一方で、公募要領は毎回見直しが行われており、前回までの常識が通用しなくなることも少なくありません。

例えば、これまでは「販路開拓のために何を行うか」が重視されていましたが、今回からは「その投資によって売上や利益がどのように向上するのか」をより具体的に説明することが求められるようになっています。

特にホームページ制作やWEB広告を活用した販路開拓を検討している事業者にとっては、申請しやすくなった部分もあれば、逆に事業計画の作り込みがより重要になった部分もあります。

 

この記事では、第20回公募の主な変更点と、それが事業者にどのような影響を与えるのかを実務的な視点で解説します。

今回の改正で見えてくる制度の方向性


今回の公募要領を読み込むと、国が事業者に求める内容がより明確になっていることが分かります。

 

従来の持続化補助金では、チラシ作成やホームページ制作など、販路開拓に関する取り組みそのものが評価対象となる傾向がありました。しかし今回からは、その取り組みを通じてどのような成果を生み出すのかがより重視されるようになっています。

 

例えば、広告を出して売上が増えたとしても、利益がほとんど残らなければ事業としての成長にはつながりません。国としては単に売上規模を大きくするのではなく、利益を生み出し、持続的に成長できる事業者を支援したいという方向性を示していると考えられます。

広報費のみでの申請ができなくなった


今回の改正の中でも、多くの事業者に影響があるのが広報費の取扱いです。

これまでも実質的には販路開拓全体が求められていましたが、今回からは広報費だけを計上した事業計画では申請できないことが明確化されました。

 

例えば、

  • チラシ作成のみ
  • SNS広告のみ
  • Google広告のみ

といった計画では申請が認められません。

 

この変更の背景には、「広告を出した」という行為そのものではなく、その広告によって事業がどのように成長するのかを重視する考え方があると考えられます。

つまり、広告はあくまで手段であり、申請する企業自身の事業戦略や成長のビジョンが必要になるということです。

また、単に広告を出して終わりではなく、資産として残るような設備やホームページなど、一過性ではない、企業の持続的な成長を支援したいという意図もあると思います。

 

今後は設備投資やサービス開発、店舗改装などと組み合わせながら、事業全体の成長につながる計画を作ることが重要になるでしょう。

SNS広告・WEB広告の位置付けが変更


今回の改正では、SNS広告やWEB広告の経費区分は「広報費」に変更がされました。

一見すると単なる経費区分の変更に見えるかもしれません。しかし実際には、補助金活用の幅を広げる重要な変更だと考えています。

 

従来は、ホームページ制作とWEB広告を組み合わせた販路開拓を行う場合、どちらもウェブサイト関連費として扱われるケースが多くありました。その結果、「ウェブサイト関連費のみの事業」と判断され、申請できないケースもありました。

 

しかし今回からは、Google広告やInstagram広告、Facebook広告などのインターネット広告が広報費として分類されるようになりました。

 

これによって、

 

「ホームページを制作し、そのホームページへ広告で集客する」

 

という現在のマーケティングでは当たり前の施策を、補助金事業として組み立てやすくなっています。

実際の事業運営に近い形で補助金を活用できるようになったという意味で、非常に歓迎すべき変更だと言えるでしょう。

ウェブサイト関連費のルール変更


今回の改正で特に注目したいのが、ウェブサイト関連費に関するルール変更です。

従来は、ウェブサイト関連費について補助金申請額全体の4分の1までという制限がありました。

そのため、ホームページ制作を中心とした販路開拓を考えている事業者にとっては、非常に使いづらい制度でした。

 

このルールにより、ウェブサイト関連費の上限である50万円(対象経費75万円)で申請するためには、その他の経費(チラシや看板など)で150万円(補助対象経費225万円)とする設計が必要でした。

 

しかし今回からは、この4分の1ルールが撤廃されました。

この変更によって、これまで申請しづらかった事業計画が申請可能になるケースも出てきます。

実際に申請しやすくなった具体例


具体的に申請できるようになった事例をご紹介させていただきます。

 

例えば、新サービスを立ち上げる事業者がいるとします。

新サービスの認知拡大を目的として、

  • ホームページ制作 45万円
  • Google広告やSNS広告 30万円

合計75万円を投じる計画を立てたとします。

 

前回までの公募では、このような計画は申請ができず、別途チラシや看板などのオフラインの販促手段も計画する必要がありました。

 

しかし今回からは、

  • ホームページ制作=ウェブサイト関連費
  • 広告運用=広報費

として整理できるようになりました。

 

その結果、「ホームページを作る」ことが目的ではなく、「ホームページと広告を組み合わせて新規顧客を獲得し、売上を伸ばす」という事業計画として説明しやすくなっています。

これは制度改正の意図を象徴する非常に分かりやすい事例と言えるでしょう。

賃金引上げ特例は以前よりも要件が難しくなった?


賃金引上げ特例についても大きな変更があります。

これまでは最低賃金を50円以上引き上げることが主な要件でした。

 

しかし今回からは、従業員一人当たりの給与支給総額を年平均3%以上増加させるという考え方へ変更されています。

業種や企業規模によっては、こちらの方が管理しやすいケースもありますが、一方で継続的な賃上げ計画が求められるため、以前よりハードルが上がったと感じる事業者もいるでしょう。

 

例えば、従業員3人(時給1,200円、1,250円、1,300円)がいた場合、

 

これまでの場合は1,200円の方を1,250円に引き上げすれば問題ありませんでしたが、

今後は、1,200円→1,236円、1,250円→1,288円、1,300円→1,339円のように引き上げる必要があります。

 

1人当たりの引き上げ額は緩和されたとも言えますが、

従業員数が多い事業者ほど、賃金引上げの負担が大きくなる設計になったともいえます。

 

そのため、20次公募以降では、単に特例の要件を満たすために選択するのではなく、実際に達成可能な計画かどうかを十分に検討する必要があります。

過去採択者の再申請ルールが厳格化


今回の改正で見落とされがちなのが再申請要件です。

過去に持続化補助金に申請し、採択された事業者は、事業効果報告書を提出すれば、比較的早い段階で再申請できるケースもありました。

 

しかし今回からは、事業効果報告書の提出後、さらに1年間が経過しなければ再申請できなくなっています。

 

つまり、これまでは事業効果報告をしていなかった場合も、遅れて報告さえ行えば申請可能となりましたが、

今後は、しっかりと期日を守って報告できる事業者のみが申請可能となりました。

 

もし採択され、補助金を受給された方でも、事業化状況報告を行っていない場合は、

1日でも早く報告を行うことをお勧めいたします。

まとめ


今回の小規模事業者持続化補助金の改正は、単なるルール変更ではありません。

 

比較的低コストなホームページ作成や広告の出稿等は利用しやすくなりました。

また賃金引上げ特例も、従業員数の少ない企業ほど、申請しやすくなりました。

 

一方で、より作り込みが必要なホームページ、広告が必要となる場合、上限30万円では予算が不足したり、

賃金の引き上げも従業員数が多いほど、引上げ負担が重くなる設計となりました。

 

そのため、持続化補助金は本来の通常枠(補助上限50万円)を基本とした申請が増えてくるのではないか、と予測しております。

 

また、今後は「事業への投資によってどのような成果を生み出すのか」の説明をしていくことが重要になっています。

そのため、本当に補助事業を行った結果、売上・利益が増加するのかといった視点が必要になると思います。

 

その上で申請を支援する、民間コンサルティング会社や士業、商工会議所の経営支援力の重要性が高まったともいえます。

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