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創業融資と補助金の違い|資金調達手段の選び方と併用のポイント

創業融資と補助金の違い
~資金調達手段の選び方と併用のポイント~


1.はじめに|創業時の資金調達に悩む起業家たち


起業を考えるとき、最初に直面する大きな課題のひとつが「資金調達」です。

店舗の内装費や設備投資、商品仕入れ、人件費など、事業をスタートするには一定の資金が必ず必要になります。

しかし、自己資金だけでまかなえる起業家は少なく、多くの場合「外部資金調達」を検討することになります。

 

その際に候補となる代表的な手段が 創業融資補助金 です。両者はいずれも起業家を支援する制度ですが、性質や活用方法は大きく異なります。融資は「返済が必要な資金」であり、補助金は「返済不要の資金」です。どちらも魅力的ですが、それぞれにメリット・デメリットが存在し、適切な選択をしなければ資金繰りに悪影響を及ぼす可能性もあります。

 

本記事では、創業融資と補助金の基本的な違いを整理したうえで、状況に応じた選び方や併用のポイントを解説します。

これから起業を考える方が、賢く資金調達を行うための参考にしてください。

2. 創業融資の基本


2-1. 融資とは「返済が必要な資金」

創業融資とは、金融機関や公的機関が起業家に資金を貸し付ける制度です。借りた資金は返済義務があり、利息も発生します。
ただし、創業者向けに金利を低く設定していたり、担保や保証人を不要とする制度もあるため、起業家にとって利用しやすい仕組みが整えられています。

2-2. 代表的な創業融資の種類

◆日本政策金融公庫(公庫)の創業融資

 国が100%出資する金融機関。創業者に対して積極的に融資を行う。無担保・無保証人で利用できるケースが多い。

 

◆信用保証協会付き融資

 民間金融機関の融資に対して、信用保証協会が保証を行う制度。創業時でも利用可能。

 

◆自治体独自の創業支援融資(制度融資)

 各自治体が設ける制度で、金利や保証料を補助してくれることもある。主に民間金融機関の融資に対し、信用保証協会による保証が必要となる。

2-3. 融資のメリット・デメリット

メリット デメリット

・資金使途の自由度が高い

・多額の資金を調達しやすい

・信用力が向上する

  ・返済義務がある

  ・審査に時間がかかる場合がある

  ・借入金は将来のキャッシュフローを圧迫する

3. 補助金の基本


3-1. 補助金とは「返済不要の資金」

補助金は国や自治体が特定の事業を支援するために交付する資金で、返済の必要がありません。

たとえば、創業期の設備投資や販路開拓を後押しする目的で活用できます補助金もあります。

3-2. 代表的な補助金

代表的なものとしては、以下のような補助金が挙げられます。

◆小規模事業者持続化補助金

 商工会議所などのサポートを受けて販路開拓に取り組む小規模事業者を支援。

◆ものづくり補助金

 新製品・新サービスの開発に取り組む中小企業を対象にした大型補助金。

3-3. 補助金のメリット・デメリット

メリット デメリット

・返済不要

・採択されれば資金負担を大幅に軽減できる

・国や自治体の支援実績が信用力につながる

  ・審採択率が低い(30%前後の場合も多い)

  ・申請に手間がかかる

  ・後払い方式が多く、資金繰りに工夫が必要

  ・実績報告・経費精算が厳格

4. 融資と補助金の比較(一覧表)


項目 創業融資 補助金
資金の性質 返済必要 返済不要
調達スピード 1~2か月程度 申請から入金まで半年以上
調達金額 数百万円~数千万円 数十万円~数百万円
審査難易度 面談・計画重視 書類審査・採択率重視
リスク 返済負担 採択されない可能性
信用力 金融機関との関係構築 行政支援の実績獲得
 

5. 融資と補助金を併用するメリット


①融資額の調整

補助金は交付まで時間がかかるため、当初の資金は融資で賄い、後から補助金でコストを回収するのが合理的です。

5-2. 信用力の相乗効果

融資を受けることで金融機関との取引実績が生まれ、補助金を獲得すれば行政からの評価も得られます。両方の実績が揃うことで、将来的な追加融資や新規補助金申請も有利に進められます。

6. 注意点と落とし穴


6-1. 補助金の「交付決定前」の発注行為・契約行為の禁止

補助金は交付決定前に契約や支払いを行った経費は対象外となります。慌てて発注すると補助金がもらえないトラブルになるため要注意です。

6-2. 融資審査にかかる時間

創業融資は1~2か月程度かかる場合があるため、開業スケジュールから逆算して申請を進める必要があります。

6-3. 補助金依存のリスク

補助金はあくまで「一時的な支援」です。毎年継続的に得られるものではないため、補助金に頼りすぎる経営は危険です。

補助金ありきのビジネスモデルではなく、事業自体の収益力を十分に検討するようにしましょう。

7. 業種別のおすすめ組み合わせ


以下のように補助金と融資を組み合わせて上手に資金調達をしている企業もあります。

◆飲食業の場合

 融資で創業期に必要な内装・設備費を確保  →  補助金により戦略的な広告宣伝を行う

 

◆ITサービス業

 融資で人件費を確保  →  補助金で開発費やマーケティング費用を軽減

 

◆製造業

 融資で大型機械を導入 → 補助金で新商品開発や試作費を補助

8. まとめ


創業融資と補助金は、どちらも起業家にとって心強い資金調達手段です。しかし、性質やタイミングが異なるため「どちらを選ぶか」だけでなく「どう組み合わせるか」を考えることが成功のカギとなります。

 

◆融資→早期にまとまった資金を確保する手段

◆補助金→返済不要だが採択率と実績報告に注意が必要

 

この2つを上手に組み合わせ、計画的に活用することで、創業時の資金繰りは格段に安定します。起業を志す方は、自社の事業内容やタイミングに合わせ、最適な資金調達戦略を描いていきましょう。

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