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創業融資の返済計画の立て方:返済負担を軽減する方法とは?

創業融資の返済計画|負担を軽減する立て方を徹底解説

創業融資は、事業を始める上で欠かせない資金調達手段です。日本政策金融公庫や民間金融機関からの融資を活用することで、開業資金や運転資金を確保できます。しかし、融資を受けた後の返済計画を誤ると、資金繰りが悪化し、事業運営に深刻な影響を及ぼすことがあります。

本記事では、創業融資の返済負担を軽減し、無理のない返済計画を立てる方法を徹底解説します。具体的な計算例やシミュレーション、活用できる制度についても紹介するため、これから創業融資を検討している方や、すでに融資を受けたものの返済に不安がある方にも役立つ内容です。

1.返済計画を立てる前に押さえるポイント


創業融資の返済計画を立てる際には、いくつかの基本的なポイントを押さえておく必要があります。返済額を無理なく設定するためには、事業の資金フローを正確に把握し、事業計画と返済計画を連動させることが不可欠です。

①月々のキャッシュフローを把握


返済計画を立てる第一歩は、月々のキャッシュフローを正確に把握することです。キャッシュフローとは、事業の現金収支の流れのことで、毎月どれだけの現金が入ってきて、どれだけ支出されるかを示します。

 

◆売上の予測

 過去のデータがある場合は、月ごとの売上推移をもとに予測します。

 創業初期は売上が不安定なため、保守的に見積もることが重要です。

◆固定費の把握

 家賃、人件費、光熱費、通信費など毎月必ず発生する費用を一覧にします。

◆変動費の把握

 仕入れ費用や広告宣伝費など、売上や季節によって変動する費用も計算に含めます。

 

これらをもとに、「毎月どの程度の返済が可能か」を算出します。例えば、月の収入が50万円で、固定費が30万円、変動費が10万円の場合、最大で10万円程度を返済に回せると考えられます。ただし、予期せぬ支出や売上の減少に備えて、余裕を持った返済額を設定することが安全です。

②事業計画と返済計画を連動させる


返済計画は事業計画と一体で考えることが重要です。事業計画書には、売上予測、利益予測、資金繰り計画が含まれます。返済計画はこの資金繰りに組み込み、月々の返済額が事業運営に支障をきたさないかを確認する必要があります。

 

例えば、初年度は売上が低く利益も少ない場合、毎月の返済額を抑え、売上が安定してから増額するような計画にすることが望ましいです。このように事業計画と返済計画を連動させることで、返済が事業の成長を妨げるリスクを軽減できます。

2.返済負担を軽減する具体的方法


返済負担を軽減する方法は複数あります。日本政策金融公庫や一部の民間金融機関では、創業期の資金負担を軽くするための制度が用意されています。

①元金返済開始時期をずらす(据置期間の活用)


据置期間とは、融資実行後、元金の返済を一定期間猶予できる制度です。この期間は利息のみの支払いとなる場合が多く、創業初期の資金繰りを安定させるのに役立ちます。

 

例:1,000万円を金利2%で融資、返済期間10年、据置期間1年の場合

 据置期間中の支払利息 ➡ 約20万円(1000万×2%)

 元金返済 ➡ 据置期間終了後に開始

これにより、初期の月々の返済負担を大幅に軽減できます。

利息のみの期間は、売上が安定してから元金返済を開始するための時間稼ぎとして非常に有効です。ただし、期間中に元金は減らないため、総返済額はやや増える点に注意が必要です。

②繰上げ返済の活用と注意点


事業が順調に伸びた場合、繰上げ返済を活用することで利息負担を減らすことができます。

たとえば、計画よりも余剰資金がある月に元金の一部を返済することで、総返済額を抑えることが可能です。

 

◆注意点

・金融機関によっては繰上げ返済手数料が発生する場合があります。

・繰上げ返済によって返済額が減るタイミングや期間を事前に確認しておくことが重要です。

・また、当初に予定した通りに返済をしていく(繰り上げ返済をしない)ことも、金融機関にとって信頼構築に繋がります。

3. 返済シミュレーションの作り方


返済計画を具体化するためには、シミュレーションが欠かせません。シミュレーションを行うことで、月々の返済額、総返済額、利息負担を可視化できます。

①Excelやオンライン計算ツールの活用


Excelを使えば、簡単に返済シミュレーションを作成できます。必要な項目は以下の通りです。

 

◆融資金額

◆金利(変動・固定)

◆返済期間

◆返済方法(元利均等返済・元金均等返済)

 

また、日本政策金融公庫の公式サイトにはオンライン返済シミュレーションツールがあり、融資金額や金利、期間を入力するだけで毎月の返済額を簡単に算出できます。

②収支予測と返済計画を照らし合わせる


シミュレーションで算出した返済額を、月次の収支予測と照らし合わせて、返済可能かを確認します。

収支予測と返済額が合わない場合は、返済額を減らす、据置期間を活用する、返済期間を延長するなど調整が必要です。

このプロセスを経ることで、資金繰りの過不足を事前に把握でき、融資返済の失敗リスクを低減できます。

4. まとめ


創業融資の返済計画は、創業時の資金繰りの安定化に直結します。無理のない返済計画を立てることで、返済負担を軽減し、融資審査の通過率を高めることが可能です。

ポイントは以下の通りです。

  1. 月々のキャッシュフローを正確に把握する

  2. 事業計画と返済計画を連動させる

  3. 据置期間や利息のみ期間を活用する

  4. 繰上げ返済は手数料・タイミングを確認して計画的に行う

  5. シミュレーションで返済額と収支予測を照らし合わせる

 

返済計画を丁寧に作ることで、創業初期の資金繰りを安定させ、事業成功への道筋を確実なものにできます。創業融資を受ける前に、ぜひこの記事を参考に無理のない返済計画を立てましょう。


この記事で紹介したポイントを押さえ、適した返済計画を活用すれば、事業の成功可能性は格段に高まります。もし「一人で検討するのは不安」という方は、税理士や経営コンサルタントへの相談を検討しましょう。

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